レベル4自動運転車両、遠隔監視とともに国内初の運行サービスを開始

公道でのレベル4自動運転が解禁された。今年4月1日施行の改正道路交通法では、レベル4相当の「特定自動運行」に、遠隔でのオペレータ(特定自動運行主任者)による車両内外状況の鮮明な映像、明瞭な音声通信による監視、異常時等での速やかな対応が義務付けられているという。

ソリトンは、産総研ヤマハ発動機三菱電機と共に5月21日、福井県永平寺町で道路交通法に基づく特定自動運行(参考:警察庁PDF)を国内で初めて開始した。同社は自動運転車両装置・周辺状況・乗客等の状態を遠隔センターにて監視し、異常等発生時には車両内外との通話を含め必要な措置をとるための遠隔システム、車両・遠隔センター間基盤の通信システムの開発を担当している。

特定自動運行区間は「永平寺参ろーど」の南側約2km。運行はZEN コネクトが担う。遠隔監視のみでの自動運転サービスの実現に向けた取り組みを上記4法人が経産省から受託していて、同町によるレベル4での自動運転移動サービスの開始をめざす(国交省発表)。今回ソリトンが開発した遠隔監視システムでは、一人の遠隔オペレーターが最大4台の自動運転車を監視できる。

さらに、管制システムとの連動による効率的かつ的確な監視、異常発生時における安全確保と所要措置の迅速化を図っている。車両~遠隔センター間(映像・音声・データ)通信システムは、モバイルLTE/4G 3回線を利用した多重接続及びクラウド方式の構成により、高品質、高安定を確保し、映像通信の短遅延化も実現した。

通信リソースの削減と低コスト化を狙い、正常な自動運転時には通信帯域を自動的に大きく低減させているという。ソリトンは遠隔・通信両システムについて、今般の仕組みをベースに、大型バスやトラックなど多様な車種への適用/汎用化と、遠隔運転操作機能の更なる高度化を図り、全国規模での拡大が予想される自動運転サービスへの展開を目指していく考えだ。