ハンドル型電動車いすをIoT化、安心安全と機能・サービスの向上へ

ハンドル型電動車いすは「「JIS T9208 自操用ハンドル形」として規定されている。平坦路での最高速度は毎時6km、10°の斜面を真っ直ぐ登れて、静止および発信もできなければならず、回転性能や連続走行距離、動的安定性、強度・衝撃・耐久性・耐水性能などについても規格化されている。

道路交通法で歩行者として扱われる。日常の移動手段として利用できるそれは、充電した電気を使いモーターで動くため、音も静か。まるで歩くように外出を楽しむことができる。用途は様々で、買いものや近所の散歩、通院、田畑への移動、人に会いに行く、趣味・習い事など、毎日の移動に役立つ。ハンドル型電動車いすの操縦ライセンスは不要であり、普通自動車第一種運転免許などを返納した後の、次の乗り物として利用を検討して欲しいという。

スズキと、データ・テックは、ハンドル形電動車いす「セニアカー」の利用者とその家族等へより安心と安全を提供することを目的に、低消費電力のIoT車載器を活用した見守り通信システムの実証実験を6月~10月に全国で行う。この取り組みを通して、セニアカーに求められる機能やサービスを把握し、今後の製品開発に繋げていく。

今回の実証実験では、前者が製造する「セニアカー」に、後者が開発したIoT車載器「SR-LPWA」(セイフティレコーダ・低電力広域通信。関連記事)を装着し、利用中の位置情報の取得や転倒検知を行う。SR-LPWAで取得した位置情報は、専用サーバーを介して、あらかじめ登録された家族が持つ見守りアプリ(スマートフォン)にて閲覧可能となる。

上記システム――セニアカー利用者の家族等が使用する、SR-LPWAで取得した位置情報や転倒検知情報等を専用サーバーで受信し、見守りアプリに連携する一連の仕組みでは、転倒を検知した際は家族にメール通知を行い、リアルタイムでセニアカーの状態を把握することもできるという。