建機の遠隔操作や自動運転に資するデジタルツインシステムを共同開発

建設施工現場をDX(デジタルトランスフォーメーション)する。センシングシステム等で収集した建機の位置・稼働情報、作業員の位置・生体情報、作業進捗による地形の変化、気象予報などのデータに基づいて、人に注意を促したり、オートパイロット建機を制御したりして――

現場全体を安全な方向に導きながら、生産性の高い施工を行う。その実現においては、リアルの世界で収集したさまざまな情報を仮想空間に再現した「デジタルツイン」を必要とするが、土木施工現場では、建設機械の働きによって地勢が刻々と変化し、地形などの大容量データの高速伝送・処理を要する、リアルタイム性の高いデジタルツインの構築はこれまで困難だったという。

日立建機は今月、アプトポッドに出資し同社と業務提携契約を締結した。今後、アプトポッドが提供する高速IoTプラットフォーム「intdash」を活用し、リアルタイム性の高いデジタルツインの構築や、デジタルツインを用いて建機の遠隔操作や自動運転を行うシステムの開発などに共同で取り組む。同プラットフォームでは、100ミリ秒~1ミリ秒間隔程度の高頻度で発生するデータを、インターネット経由で高速・大容量かつ安定的に伝送することが可能だ。

「intdash」の通信・ソフトウェア技術を5Gや次世代高速通信と組み合わせる。それにより、建設機械や施工現場から絶え間なく大量に発生するデータを収集・処理しながら、リアルタイム性の高いデジタルツインを構築できるという。

電動化建機やICT施工ソリューションの開発などにおいて、異業種を含む世界中のビジネスパートナーと連携してきた。ベンチャーキャピタルが募集するファンドへの出資などを通じて、スタートアップとの連携強化もしてきた。日立建機グループは、今後もオープンイノベーションを積極的に推進して新たな価値を創造し、顧客ニーズに応える製品・ソリューションを提供していく考えだ。