情報通信
防災DX、罹災証明書交付を被害調査システムと判定アプリで迅速に
過去の大規模地震などの災害時には、罹災証明書交付までに数カ月かかるケースも発生していたという。富士フイルムシステムサービスは、自治体による罹災証明書交付の迅速化に寄与するため、水害・地震・風害に対応した「被害調査統合システム」と「家屋被害判定アプリ」を6月1日から提供する。
同社は、罹災証明書交付に時間がかかる要因として、交付までの業務が人手や紙帳票を用いたアナログプロセスで⾏われていることに着目。特に、家屋の被害調査計画の策定や被害認定調査作業のデジタル化が課題であると考え、複数の自治体と実証実験を行うとともに、昨年8月から住家被害認定調査を支援する無償アプリケーションを複数の自治体に提供し、各自治体からの要望や改善の声をシステム開発に反映してきた。
そしてこの度、「罹災証明迅速化ソリューション」のラインアップ第一弾として、被害調査の計画策定・進捗管理を行う上記システムと、タブレット端末を活用して被災現場での被災度調査を支援する上記アプリを開発した。ともに、従来のアナログな運用と比較して、該当業務にかかる工数・期間を50%以上削減可能であると見込んでいる。
6月1日から大分県日田市と佐賀県武雄市にて、7月1日から愛媛県宇和島市にて、「調査計画策定の自動化」「事前準備ほぼ不要」「現地調査/調査結果入力省力化」を特長とする同ソリューションを利用してもらうことが決定しているという。同社は、今後も罹災証明書交付の迅速化に向けた取り組みを一層強化することで、自治体業務のDXを促進し、住民の早期生活再建支援に貢献していく構えだ。