非財務面の与信審査を可能にする、SaaSの一層精度アップに向けて

金融業においては、財務情報主体の与信審査が行われる。そんな傾向がある一方で、非財務面も考慮した多角的な与信審査を行い、さらなる企業支援・取引拡大につなげる、新たなビジネスモデルを実現することへの機運も高まっているという。

TISは、AI与信審査に強みを持つH.I.F.と業務提携し、AI非財務定性審査サービス「二十一式人工知能付自動与信審査回路」の販売代理契約を締結した。同サービスは、専用のAIモデルを用いることで、従来の法人向け与信審査において評価されている「財務状況」に加え、非財務面の与信審査を可能にするSaaS製品――。非財務面を定量的に評価することで、財務主体の審査モデルとは異なる観点からデフォルトリスクを提示可能とする。

①非財務情報からの評価・審査が可能、②常にアップデートし続ける審査モデル、③審査精度の高さ、④債権保証の提供が可能といった特長を備えた同サービスのユーザー企業は、「情報の乏しい新規取引先の与信審査」「財務評価がしにくい創業・スタートアップ企業の与信審査」「非財務面を含めた多角的評価による追加与信取引」において、従来逸失していた案件を新たに獲得することができる。

金融業向けの融資や審査に関するサービスの提供を行ってきた、これまでの経験を活かし、自社で上記AI系新サービス:二十一式人工知能付自動与信審査回路の活用提案や導入支援を行う。導入後のカスタマイズに対する要望への対応も可能だという。TISは、当該サービスのSaaS提供とは別に、導入企業ごとの独自の評価項目を審査モデルへ反映して提供する個社カスタマイズ対応を検討している。

現在の「二十一式人工知能付自動与信審査回路」で評価対象としている評価項目に加え、ESGやSDGs等の時流に沿った新たな評価軸の追加を構想している。これにより、いっそう精度の高い与信審査を行えるサービスの実現を目指していく考えだ。