大規模複合施設にて多種類サービスロボットの運用と一元監視を可能に

生産年齢人口の減少が続く日本では、新形態のモビリティ、ITやロボティクスを始めとする先進技術の活用が必須だ。それを街ぐるみで行うスマートシティの構築も待望される。

年12月~今年1月、鹿島は、羽田空港に隣接する大規模複合施設「HANEDA INNOVATION CITY」(HICity®)で、メーカーの異なるロボットを複数台導入する際に必要な基盤システムの実証実験を行った。結果、同システムが有効に機能することを確認できた。今回得られた知見を活かし、これから、HICityでの清掃、警備、配膳・配送業務にサービスロボットを導入して、より良いサービスの提供を目指すという。

同システムは、①複数メーカー・複数台のロボットの連携機能、②ロボットと複数メーカー・複数台のエレベーターとの連携機能、③ロボットの統合管制システムで構成されている。これを導入すれば従来困難だったこと――各種ロボットが同一施設内で上下階の移動を含め自由に走行できる環境と、施設管理者が各種ロボットを一元的に監視できる体制を構築できる。

①では、メーカーにより異なる制御システムを持つ複数台のロボットの情報を集約し、それぞれに指示を出すことで各分野のロボットを連携制御。これにより、同一施設内を走行するロボットの衝突防止や配送能力向上に寄与する。②では、同一施設内のメーカーが異なる複数台のエレベーターへ、各種ロボットが円滑に乗降可能となる。③では、各ロボットの状況を把握し、システムエラー等のトラブルがあった際に施設管理者へ通知する。

HICityを拠点にスマートシティの取組みを推進する「羽田第1ゾーンスマートシティ推進協議会」と共に、モビリティ・ロボティクス・ツーリズム・ヘルスケア分野の実証実験を行っている。鹿島は今後同基盤システムについて、本格実装に向け機能を拡充していくとともに、他の大規模施設等への展開を図っていく構えだ。