電動スクーター利用をデジタル試演、シェアサービスを総合・効果的に

デジタル技術が進展している。近年、あらゆる分野で世界がつながる中、社会課題が複雑に絡み合い、様々な分野において複数の観点で公平かつバランスの取れた解決策の立案が求められているという。

富士通は、人々の行動を高精度にデジタルツイン上に再現することで、人々の行動の変化を予測し、施策の効果や影響を事前に検証可能とするデジタルリハーサル技術を開発――。英国Beryl社の協力のもと、ワイト島におけるシェアードeスクーターサービスの運用を改善する施策の導出を目指し、今月1日~6月30日に同技術を適用した実証実験をNDTPという英国ビジネス・通商省と協力して実施している広範な取り組みの一環として行う。

行動経済学とAIを組み合わせた同技術は、利益よりも損失を過大評価するといった人の行動における非合理性に加え、天候などの間接的な影響要因も含む実世界の人の行動に近いモデルをAIで生成し、実際の都市を再現したデジタルツインと融合させる。そして、天候や周辺環境などの条件変化や施策による人の行動の変化を予測し、高精度に検証することを可能にする。

今般、ワイト島の各所に設置するシェアードeスクーター数の変更や、特定場所への返却による使用料の割引などの施策による人々の移動手段の選択の変化により、例えば車からeスクーターに乗り換えることによる地域のCO2排出量削減や移動者の利便性における効果、サービス運用コストへの影響などをデジタルリハーサル技術で検証する。実験を通じて、Berylの事業、ワイト島の交通政策や経済全体への貢献を目指す。

そこで得られた知見をもとに、持続可能で公平かつ多様性のある社会の実現に寄与するという。同社の新技術は「Fujitsu ActivateNow Technology Summit(Madrid)」および「G7群馬高崎デジタル・技術大臣会合『デジタル技術展』」にて披露される。