ものづくりDX、外観検査におけるAIの有用性を容易に自己診断する

ものづくり現場の多くには、属人的な外観検査が残っている。当該検査精度は一定せず、慢性的な人手不足などもあり、外観検査の自動化は製造業各社における喫緊の課題となっていて、AI画像解析に大きな期待が寄せられている一方、AI技術でできることのイメージが持てない――

製品も環境も異なる他社事例だけでは自社での活用可能性がわからないなど、本格的な検討に踏み切れない企業が非常に多い実態がある。AI活用の可能性を検証するには、通常有償のPoC(概念実証)やPoC前の簡易的な検証をAIベンダーが行うが、それには当該ベンダーと機密保持契約や画像授受、データの評価などを行う手間が発生する。ゆえに従来、気軽にその可能性を検証し有用な情報を得ることはできなかったという。

システムインテグレータは13日、製品の外観検査でAIを使った自動化を検討する顧客に向けて、AIの有用性や導入への課題をユーザー自身で検証できる無料のAI外観検査セルフチェックツール「ImageCheck AI」をリリースした。検証結果を直感的に分かりやすく確認できる、同ツールにより、顧客はAIの実用可能性を体感し、AI活用の課題を抽出できる。

物体のキズや凹み、異物混入などの異常をAIで自動検知するAIソフトウェアパッケージ"AISIA-AD"利用のハードルを下げる。「ヒストグラム、混同行列による正常・異常の判定」「ヒートマップによる異常判定」を可能にする、同ツールでは、有償PoC前の簡易検証を自社だけで簡単に行える。顧客自身の環境で学習、検証結果を確認できるため、画像の受け渡しや契約に時間と手間を掛けることがなくなるという。

同社は、上記ツールの詳細を5月24日のウェビナーで解説する。今後、不良品画像を学習させるモデルや画像にラベル付けをすることで分類できるモデルなど順次種類を増やし、顧客自身でできる検証作業の領域を拡げていく考えだ。