今日、労働人口減少や物流の2024年問題対応などによりトラックドライバー不足が深刻化する中、「自主荷役」と呼ばれるドライバーによる積卸し作業の改善と、その為に必要な荷主現場における荷役作業の実態把握の重要性が高まっている。荷役作業の実態把握は将来の商用車の自動運転・自動荷役の実現に向けた類型化・標準化推進においても必要不可欠だという。
三菱ロジスネクスト、島津製作所、NTTデータは、経産省による令和4年度「物流MaaSの実現に向けた研究開発・実証事業」の実施団体として、昨年8月~今年3月、各種センサーなどを用いたトラック積卸しを中心とした荷役作業の可視化に取り組み、実用化に向け一定の成果が得られたことを今月13日に発表した。
それぞれ、「実証事業全体取りまとめ、フォークリフト挙動データ取得・分析」「独自開発の油圧IoTユニット(製品化未定)によるトラック及びフォーク荷役機構の油圧データ取得・分析」「フォークリフト荷重計画像データ取得・分析、ドライバー行動センシングモデル構築」を担当した。上記可視化を通じて、集配先と協同での作業環境改善やルート変更などのドライバー負荷軽減、過積載の防止、車両の突発故障防止による円滑な集配業務の実現――
等々の効果が見込まれる。将来的に積荷情報とのデータ連携が進めば、着荷主側での作業効率改善やマッチングによる積載効率の向上につながるという。3社は今回得られた知見(参考PDF)を活かし、可視化の深耕とトラックデータとの連携を進め、一日も早い社会実装に向けて取り組みを加速していく構えだ。