医薬品の情報提供と安全性確認などをデジタル基盤で効率化する

新型コロナウイルス感染症が全国に広がった。以降、医師の負担増や訪問規制により、製薬企業などの外部関係者と医師間で情報伝達手段のデジタル化が進んでいる。そこで、医療情報担当者(MR)の市販直後調査業務において、迅速かつ確実な情報伝達管理を行うWeb基盤を構築――

全国の医療機関を対象に新型コロナワクチンの市販直後調査(用語解説:厚労省PDF)を実施する、製薬企業での採用を踏まえて当該プラットフォームのサービス化に至ったという。富士フイルムビジネスイノベーションは6日、効率的な情報伝達管理により製薬業界のDXを加速する「医薬品情報提供DX化支援サービス」の提供を開始した。

同サービスは、MRが医師に行う安全性情報の確認依頼をEメールや郵送DMで案内し、医薬品情報提供Webプラットフォームを通じて医師の確認状況をタイムリーに把握することを可能にする。MRはいつどの医師にどのような安全性情報を案内したかといった履歴管理も行え、安全性情報を確認していない医師への確認依頼が適宜行える。MRの同調査に係る業務の約55%削減(応対想定時間/医療機関)が見込め、業務の効率化が図れる。

一方、医師は、同プラットフォーム上で、必要なタイミングでの安全性情報の閲覧が可能となり、MRに都度情報提供を依頼する手間も軽減される。さらにそこから安全性情報に関する各種資料の閲覧・取得や発注ができるという。同社が製薬企業に代わり当該資料を提供するしくみもサービス化した。

60以上の製薬企業へ、ドキュメントの印刷・発送や電子化・保管、新薬申請業務支援などのアウトソーシングサービスを提供してきた。20年以上の経験と業界特有の規制等の理解により、コンサルからBPOまで幅広いサービスを提供していて、製薬企業における業務効率化に貢献しているという。同社は今後も効率的な情報伝達を促進し、製薬業界のDXを一層加速していく構えだ。