インフラ設備をリモート監視、故障の予兆検知や早期対応で安定稼働へ

客先常駐によって電気、ガス、空調、水処理など各種インフラ設備の安定稼働を見守る施設管理業務のアウトソーシングを提供している。その会社では近年、次世代型工場施設管理業務の実現に向けたコンセプトのもと、IoT・AI技術を活用した設備の異常予兆検知システムを発表――

「NEC DFM Presagio」(21年4月発表記事)の実証実験や点検・保全管理業務の効率化などに積極的に取り組んでいる。NECファシリティーズは3月31日、非常駐で行う各種インフラ設備の点検・保全管理業務に、設備の異常予兆を検知する技術を組み合わせた保全サービスの提供を開始した。上記活動の経験や成果を生かし、施設管理業務をアウトソーシングする選択肢を広げるため、これを提供することにした。

施設の規模が比較的小さいとか、工場が近隣に分散していて常駐が難しいといった事情から、施設管理業務の常駐拠点設置が困難な顧客や、施設管理業務アウトソーシングのスモールスタートを希望する中部地区の顧客から提供していくという。同サービスは先行的に、電子部品メーカーの検査事業を展開する企業に導入されていて、県内2ケ所の事業所で24時間・365日稼働する水冷式の冷却塔、冷却水ポンプの異常予兆検知に適用されている。

月1回の巡回点検と設備毎に定めた定期メンテナンス、遠隔監視を提案した。2つの事業所の冷却水ポンプに振動センサーを設置し、24時間365日の振動測定を行う、測定データをクラウドで収集・分析し、冷却水ポンプの運転状態の異常兆候を把握する。先行導入事例においては、今後、リモート管理による初動対応や調査支援の有用性を評価してもらい、施設管理業務アウトソーシングの仕様の策定・改善を行うという。

同社は、新たな保全サービスの提供を通じ、遠隔監視による設備の管理や故障時の早期対応、故障の予兆検知を行い、顧客施設の安定稼働に貢献していく構えだ。