オンラインで歴史的絵画等の情報を共有、鑑賞及び意見交換を可能に

その絵巻は文化2年(1805)頃の日本橋通りを描いた作品。神田今川橋から日本橋までの中央通りを舞台に、当時の町の繁栄と人々の日常生活が詳しく描かれる。絵師は不明――

日本橋地域ルネッサンス100年計画委員会企画運営サイトで「熈代勝覧(きだいしょうらん)」が解説されている。3月27日、凸版印刷は、多彩な絵画や文化財の公開・活用促進を目的に開発した、オンライン上で屏風絵や障壁画などの作品を細部まで観察しながら読み解き(絵解き)を楽しんだりコメントや関連情報を共有、発信ができる高精細画像共有プラットフォーム「ETOKI™ ONLINE」の販売を開始した。

美術館や博物館などの文化財コンテンツ保有者向けに販売する。同プラットフォームは、10億画素を超える高精細画像を、特殊なソフトウェアを用いずともオンライン閲覧できるようにするWebアプリケーション。高解像度の作品画像のスムーズな閲覧や、作品を閲覧しながらのリアルタイム意見交換を可能とする。絵画作品を詳細に鑑賞できるうえ、絵画上の好きな場所にコメントをつけて共有することで、新たな楽しみ方や研究・教育用途での活用もできる。

博物館や研究機関が所蔵する各種絵画や書籍などの作品をWebブラウザで閲覧できる、当該オンラインサービスは「高解像度の作品を好きな大きさで鑑賞」「好きな場所にコメントをつけて共有」「ネット公開・非公開も設定が可能」といった特長を備えたという。

同社はETOKI ONLINEを使用して、東京都の「歴史・文化を軸にした東京の魅力発信」事業の一環として、「熈代勝覧」を題材にしたコンテンツ「絵巻に潜む江戸の英知を解き明かそう」を制作した。同コンテンツ――江戸・東京の魅力発信サイト「江戸東京にはWhyがある」では、江戸時代後期の日本橋の賑わいを伝える同絵巻に描かれた、現在の東京にもつながる江戸の人びとの知恵や魅力を紹介している。