企業の電子契約利用は前年より4%増加、DXはコスト削減が最大目的

コロナ禍によりテレワークの導入及び活用が一気に進んだ。日本では今、あれやこれやの戦略ないし革新基盤であるデジタルトランスフォーメーション(DX)に加え、電子契約、インボイス制度、個人情報保護に対する企業の取り組みが注目されている。

今月16日、JIPDECITRは、国内企業(従業員2名以上)1万7,000社のIT/情報セキュリティ責任者を対象に今年1月共同実施し1,022社から有効回答を得た『企業IT利活用動向調査2023』の一部結果を速報した。今回の調査結果のポイントは次の7つだという。

①電子契約の利用企業は前年の69.7%から73.9%に拡大。「立会人型と当事者型の両方を採用」している企業の割合が4ポイント増。②電子契約サービス事業者の選定時、半数近くが「クラウドに関するセキュリティ認証」取得を参考。③インボイス制度の登録申請は65.6%が「提出済み」、「提出予定」を含めると88.6%に上る。④テレワークを「導入している」割合は、前年の72.7%から72.1%に微減。

⑤DXの目的は、「コスト削減」と業務効率化に重点。⑥個人情報保護の取り組みは、「社員教育」が57.6%で最多。⑦重視する経営課題は、「従業員の働き方改革」が2年連続で増加。――⑤では、コスト削減に「労働時間の短縮」(46.6%)および「人員削減」(38.4%)が続いた一方、「既存事業の拡大」や「新規事業の開拓」は2割前後にとどまっており、事業拡大よりも業務効率化を目的とした取り組みの多いことがわかったという。

両者は今回発表した動向だけでなく、情報セキュリティ対策の具体的な取り組み状況、製品/サービスの導入状況、認定/認証制度の取得状況など、広範にわたる調査を実施している。調査結果の詳細は、5月下旬発行の『JIPDEC IT-Report 2023 Spring』に掲載され、Web公開される予定とのことだ。