オムニチャネル化促進、EC受注品をスマホアプリで店頭在庫から出荷

ECサイトと店舗間における顧客購買行動がシームレス化している。昨今、小売各社がオムニチャネル対応を推し進める中で、ECでの受注品を店頭在庫から出荷する取り組みが広がりを見せているが――

オートメーション設備等の導入により効率化が進む倉庫からの出荷とは異なり、店頭からの出荷においては、ピッキングリストの手入力作業や商品タグ(下げ札)の目視による検品作業など、人手頼みの非効率なオペレーションが課題となっている。また、店舗スタッフは、必要最小限の人員配置の中で、日常の接客業務等と並行してこのような出荷作業も行う必要があるため、店頭在庫出荷拡大上の制約となっているケースも見受けられるという。

三井不動産両備システムズシグマクシスは、ECでの受注品を店頭在庫から出荷する作業を支援するスマホアプリ「Store Support」を共同開発した。全国の「三井ショッピングパーク ららぽーと」等に導入していくという同アプリは3社が知見を持ち寄り、店頭在庫のEC出荷効率化、小売各社のオムニチャネル化促進に向けて共創したものであり、今月時点でららぽーとTOKYO-BAY立川立飛海老名新三郷EXPOCITYで利用されている。

三井ショッピングパーク公式通販サイト「&mall」(インスタグラムツイッター)の店頭在庫の出荷業務において最大30%程度の作業時間短縮が実現できている。「Store Support」は、①ピッキングリストの自動作成機能(スマホでその情報確認)、②商品タグ記載バーコードのリーダー機能、③iOS・Androidの両方に対応といった特長を備えている。

②では受注品の検品作業がスマホカメラでバーコードを読み取るだけとなり、ミスの少ない効率的な検品をサポート。JANコードやcode39など、物流用途で一般的な7つの規格に対応しているため、様々なショップ・ブランドで利用可能だという。