社会インフラ管理をDX、多彩なセンサデータをAI分析し総合監視へ

この国の社会資本ストックの多くは高度経済成長期に整備された。建設後50年を経過する施設がますます増えていく。昨今、社会インフラの効率的な保守・管理が一層重要になっている。特に道路構造物(橋梁、トンネル、土工等)では――

近接目視ベースの5年定期点検が「道路法施行規則の一部を改正する省令」「トンネル等の健全性の診断結果の分類に関する告示」(国交省平成26年PDF)で義務付けられているが、技術者の知見・ノウハウの継承等が課題である。業務のデジタル化といってもほとんどは、対象となる異常や構造への単一センサデータ分析が中心であり、保守現場では様々な検査データの組み合わせが熟練者の知識で行われているという。

NEC東京都市大学は、スマートインフラマネジメントに関する共同研究の基本合意書を締結。今月14日より社会実装を目指して取り組んでいく、多種多様なセンサデータをAI技術を用いて統合分析し、対象となる構造の劣化状態を多角的に捉えて総合的にインフラを監視する、技術の研究開発は業界初だという。同社のモデルフリー分析技術などの開発実績・ノウハウと、同大学の社会インフラ/構造物に係る設計/保全技術を組み合わせ――

異常予兆監視や劣化検知のシステム開発・構築に取り組む。まずは巡回点検車に設けた高感度カメラや赤外線サーモグラフィカメラ、加速度センサ、マイク等からのマルチモーダルデータを統合分析することにより、健全性判定や⻑期劣化傾向などの状態を多角的に監視するAI技術を構築・検証する。

橋梁に設置した汎用光ファイバーによる振動データ計測による構造パラメータおよび交通状況の推定、さらにセンサ設置が不要な衛星合成開口レーダによる橋梁モニタリングを活用して近隣の開発工事に伴う既存橋梁への影響についても検証する。常時監視データと巡回点検車による収集データを組み合わせてインフラを統合的に監視する技術を開発する。