顧客行動予測にかかる一連のAI運用サイクルを自動化する

各種産業分野でAI技術活用への期待が高まっている。企業に必須なのは「イノベーション」と「マーケティング」だとP.F.ドラッカー氏が見ていて、AIはどちらにも有効だと大勢に目されている。そんな中、マーケティングへの本格的なAI導入はPoC(概念実証)や検討の段階に留まっている――

多くの企業はAI導入について「精度や成果が出づらい」「リソース不足で本格導入・運用までには踏み込めない」といった課題に直面しているという。凸版印刷は、マーケティングにおける顧客行動予測の一連のAI運用サイクルを自動化するシステムを開発。同システムを活用し、AIスコアリングエンジンをリニューアルして、企業に合わせたAI導入設計から自動運用までをフルパッケージで支援するAIソリューション「KAIDEL®」の提供を9日に開始した。  

AIの技術を用い「プロモーション反応予測」「優良化予測」「離反予測」など、顧客の様々な将来の見込み度を予測するデータ分析サービス(上記エンジン)を2017年より提供していて、今回、各企業の分析担当者により手作業で行われることが多かったローデータの連携からデータ前処理、顧客行動学習・予測(AIスコアリング)、予測結果の連携まで一連の運用サイクルの自動化を実現した。

費用対効果の問題やリソース不足などが課題となり単発で終わることの多かったAIを活用したマーケティングプロジェクトの継続的な運用を支援する。データ分析による顧客マーケティングのノウハウに基づく「マーケティングに強いAI」と、その「自動運用」を提供することで、精度や成果を高めると同時に、運用負荷の軽減やコスト最適化を図り、企業のマーケティング活動におけるAIの本格導入を推進するという。

同社は通販・小売・金融・インフラ業界などへの同ソリューション提供に加え、「AIの解釈性向上」や「各種機能のモジュール化」を進めていく構えだ。