単独での対応が厳しい状況にある。FATF第4次対日相互審査の公表などを受け、全国銀行協会は今年1月にAML/CFT業務の高度化・共同化を図るマネー・ローンダリング対策共同機構を設立、この新会社にて「取引モニタリング等のAIスコアリングサービス」を提供予定だという。NECは2月7日、同サービスのシステム構築ベンダに選定されたことを発表した。24年度以降の段階的なサービス提供に合わせて、稼働を開始する。
上記システムは、①AIモデルによる業務効率化、②AIシステムの有効性を確保を特徴とする。①では、金融機関の取引モニタリングシステム・ネームスクリーニングシステムから出力されるアラートやヒット情報のリスク度合いをスコア付けするAI機能を提供予定で、大量のアラートやヒットの誤検知への対応の効率化ができる。同サービスを利用する金融機関は、より幅広いアラートやヒットの検出に対応することが可能になる。
「判定結果がブラックボックス化され説明責任を果たせない」「データ品質に問題があり正しい予測結果が得られない」といったAI特有のリスクを制御することが重要であり、上記システムでは安心安全運用に向けて、処理対象となるデータの品質管理やAIシステム自体の有効性検証等、リスクへ適切に対応する予定だという。
同社は、AI不正検知等の豊富な実績、業務ノウハウ、先端ICT等を活用し、金融機関の不正対策をテクノロジーで支援するサービスの提供・開発を進めていく。「NEC Value Chain Innovation」を顧客と共に実現していく構えだ。