首都圏の184市区で平日と休日、最もよく歩かれているは――

スマートシティやMaaS(移動手段のサービス化)研究でも車の移動や人の滞在等のデータ分析がされてきた。が、歩行者の移動にフォーカスしたデータ分析はほぼ皆無――、人々の移動を捉え分析するのに十分なレベルの人流データが存在しなかったためだという。

ジオテクノロジーズは、東京大学空間情報科学研究センター柴崎亮介教授)と、人流データ活用の共同研究を開始した。両者は、同社が保有する高精度な人流データを活用した、歩行者の動きにフォーカスした共同研究に着手した。初回の研究結果として今月3日、1都3県184市区(町村除く)における「よく歩く街ランキング」の第1位が神奈川県逗子市であったことを発表した。

同社のスマホアプリ「トリマ」で収集したGPS位置情報について、昨年3月~5月の約110万人分のデータを集計した。人流データから「歩行」と特定できた移動の距離を算出し、同データからユーザーごとの居住地を市区に分類し、市区ごとに、徒歩の移動距離の一人当たり平均値を算出(平日と休日)した。人流データから歩行者の移動距離を抽出して、一人当たりの平均歩行距離として1都3県で集計した。

今回、「よく歩く街ランキング」として上位20の自治体を並べたところ、平日・週末ともに逗子市が1位となった。東京23区は、平日はトップ20に入らないものの、週末に一気に多数ランクインした。今後は各地域についてより深い人流分析を行い、その背景や理由を人流データから追究していくという。

同社の人流データは、累計DL数1200万超の「移動するだけでポイントが貯まるM2Eアプリ"トリマ"」のユーザーから取得している。モバイルGPSの取得ピッチの細かい人流データのため、歩行者の分析に適しているという。両者は、今後の研究結果をスマートシティやMaaSに関連する自治体や民間企業に共有し、連携しながら地域住民の健康増進に貢献していく構えだ。