分身ロボカフェはローカル5Gにてよりナチュラルな遠隔操作を実現

地域の企業や自治体が運営する「ローカル5G」が脚光を浴びている。国の電波免許制度に基づくその仕組みは、電波干渉による通信品質の低下が起きにくく、安定した無線アクセス環境となる。高速大容量・低遅延通信、通信制御等のカスタマイズが可能といった特徴を有している。

他方、現在普及しているWi-Fiは、アンライセンスバンドの無線周波数を用いていることもあり、電波干渉などによる無線通信品質の低下が発生しやすい。障碍や病気で外出が困難な人が自分の分身ロボを操作して接客を行う"分身ロボットカフェ"では、タイムラグや通信断による操作の中断により、操作者のストレス増大や操作精度の低下、カフェでのサービスに支障が生じる問題があったという。

NTT東日本NTTオリィ研究所は、同研究所運営「分身ロボットカフェDAWN ver.β」常設実験店で活用されている分身ロボット「OriHime-D」において、NTT東日本のローカル5Gと、NTTの通信品質制御技術を組み合わせることで、遠隔地の操作者が通信遅延によるタイムラグを感じないナチュラルな遠隔ロボット操作を実現した。

ローカル5Gの活用により、無線通信途絶や映像品質劣化による遠隔操作のし辛さは解消され、分身ロボの操作性向上効果が認められた。上記技術による低遅延性能の維持も確認した。NTTクラルティの協力下、操作者へインタビューした結果、ローカル5G×通信品質制御技術による遠隔ロボット操作では、従来感じていた操作に関わるストレスが低減でき、ロボット操作や接客もネットワーク遅延を感じることなくスムーズに行えたなど意見が得られた。

今回の成果は、製造工場や建設現場等で活躍する遠隔操作産業ロボットなど、ネットワークの低遅延性能が求められる遠隔操作ユースケースへの展開が期待できるという。NTT東日本はこれを「Solution Forum 2023」にて紹介する予定だ。