自社内の基幹システムをクラウドへ移行してDXを加速

データ駆動型の社会および経営の実現が強く意識されるようになった。日本でも近ごろクラウドコンピューティングの位置づけは一層高くなり、様々な物事をより良くしていくデジタルトランスフォーメーション(DX)達成のためにも、基幹システムのクラウド化を推進する組織が増えている。

今月17日、DNPは、販売・購買・在庫管理などの基幹システムが稼働する社内IT基盤について、オンプレミスから拡張性・柔軟性の高いクラウド――日本オラクルの「OCI」への移行を昨年11月に完了させたことを発表した。同移行により、情報システム部門の役割の変革やシステム運用負荷の軽減などを実現し、DXを通じた価値創出の取り組みを加速していく。

①DX推進を強化し、基幹システムの運用負荷を軽減、②安定的な稼働とセキュリティ対策の強化を実現(OCIは安全に利用できる技術的・物理的・人的な情報セキュリティ対策を備え、政府のセキュリティ評価制度ISMAPにも認定)、③災害復旧などのBCP(事業継続計画)対策を強化。

サーバ等の導入・維持・管理に関わるTCOの3割削減を実現する。①ではビジネス環境に合わせて、所要システムを柔軟かつ迅速に構築できる。営業活動や生産状況の分析・改善など、データに基づく経営を従来以上に推進し、業務の標準化や自動化につながる社内システム基盤の価値を向上させて、社員が新しい価値の創出に注力できるようにしていく。

バックアップとしても機能するよう、③では、クラウド内で東京と大阪の2カ所を使う構成とすることで、広域災害等の発生時においても、復旧リードタイムを短縮させ、スムーズな事業継続を可能にするという。同社は、クラウド移行をはじめとするDXをさらに強化・推進することにより、情報システム部門の人材や各種リソースを"攻めのIT"へ集中させ、社会や生活者に新たな価値を開発・提供していく取り組みを強化していく考えだ。