350万人が使うお薬手帳アプリへAIによるインフル流行予測を提供

3年も続いた、新型コロナウイルス禍で忘れていたそれがついに来たというべきか。南半球で取り沙汰されていた季節性インフルエンザの流行が、今シーズン日本でも大いに危惧されている。東京都などは12月中旬、すでにその流行が始まったと発表している。

インフルエンザの流行時期に合わせて、くすりの窓口日立社会情報サービスは12月1日、前者が提供するスマホアプリ「EPARKお薬手帳」と、AIによりインフルエンザ流行予測を提供する後者の「感染症予報サービス」を連携させ、約350万ユーザーにインフルエンザ流行予測を提供し、流行前にワクチン接種予約の判断を促す実証実験を開始した。

「感染症予報サービス」は、市町村別の4週間先までのインフルエンザ流行予測を提供していて、インフルエンザワクチン接種時期の検討に有効だ。今回の検証では、スマートフォン向けお薬手帳アプリの中で2022年度TOTALランキングNo.1(22年3月時点)――350万人(22年11月時点)の会員が利用する「EPARKお薬手帳アプリ」からインフルエンザ予報を発信することでインフルエンザワクチンの接種予約件数が変動するかどうかを検証する。

インフルエンザ流行予測をアプリ内に表示することが、インフルエンザワクチン接種予約件数に影響を及ぼすかを検証し、サービスの有効性を把握するという。「EPARKお薬手帳アプリ」の「予防接種メニュー」内に、「感染症予報サービス」から提供された4週間先までの流行状況を掲載する。アプリ利用者の登録情報から、適切な市区町村レベルの予測を表示し、ワクチン接種予約の検討を促す。

掲載期間はインフルエンザの流行が予測される2022年12月1日~2023年2月28日の予定である。今回の検証で得られる、感染症予測を起因としたインフルエンザワクチン接種予約件数の変動を元に、両社はさらなる連携施策を検討していく構えだ。