カーボンニュートラル社会実現の影響を受ける自動車部品市場は――

CASE(コネクト、自律/自動運転、シェア、電動)という自動車のトレンドの中でも、電動化は地球環境保全の動きと結びつき、世界規模で大きなうねりとなっている。これからのクルマはまた、デザインや部品レベルで従来の作り方が通用しないものとなっていく。

'22年12月27日、富士キメラ総研は、"電動化"、"軽量化/CN(カーボンニュートラル)"、"自動運転化"、"快適性/意匠性向上"など自動車に要求される変化を受けて、材料や構造、製造方法などで新たな動きがみられる自動車部品の市場や動向を調査し、その結果を「2023 脱炭素社会に向けた自動車部品市場の将来展望」にまとめた。上記4点に着目し、自動車部品34品目の市場動向をまとめ、2045年までの長期予測を行ったという。

電動化の影響を受ける部品は、品目が多い。冷却ファンなどは長期的に縮小が予想される。各部品はEVの航続距離延長や車室内スペース確保のため小型化・軽量化が進められている。内燃機関向けの部品は減少が予想されるが、電動パワートレイン向けへの応用・転換により今後も搭載される可能性がある。軽量化/CNの影響を受ける部品は燃費向上ニーズに応えるため、高価格な軽量材料の利用が増え、短期的には市場は拡大していく。

自動運転化の影響を受ける部品は各種センサーや通信機器類、多くが長期的に伸びるとみられる。センサーの搭載が増加することで搭載箇所・方法の工夫、自動車部品へのセンサー内蔵といった対応が取られており、部品自体の高機能化が進んでいく。快適性/意匠性向上の影響を受ける部品は、EVならではの先進的なデザイン、高度自動運転に伴う車室内での過ごし方の変化等から一層付加価値の高い製品の需要が高まっていくだろうという。

注目市場としては"ミリ波対応エンブレム""制振材""コンプレッサー"が挙げられている。調査結果の詳細は、同社のレポートにて確認できる。