"京の台所"をスマート化、ITを活用してコロナ感染リスクを低減

新型コロナのみならず、インフルエンザの同時流行も危惧されている。経済を回しながら、感染症の予防対策もしっかり行っていくうえで、いわゆる「3密」の形成を回避することは、各人および様々な事業者にこれからも求められる。国内外の観光客を大勢受容れる街においては尚更だろう――。

'21年12月~'22年3月にかけてCO2濃度の見える化による新型コロナウイルス感染リスク低減に向けた検証試験を実施し、正確なCO2濃度の測定と適切な換気を行うことを実証したという。京都錦市場商店街振興組合と、村田製作所は、「京の台所」である京都錦市場におけるスマート商店街の取り組みを共同で実施する。

「京都府地域商業活性化緊急支援事業費補助金」(PDF)と「京都市商店街等キャッシュレス・DXチャレンジ支援事業補助金」(PDF)を活用してこれを行う、両者はムラタの「AIRSual」を錦市場商店街の8カ所に設置し共同運用する。さらに、人流センサとデジタルサイネージを導入して、混雑度と換気を見える化することで来街者の利便性向上に向けたスマート商店街を目指す。

人流センサは、指定範囲にいる人の移動方向や人数、平均滞留時間を検知することができ、人の流れや混雑している場所が分かる。画像はセンサ内部で処理され録画や保存はされないため、プライバシーが守られるよう配慮している。AIRSualと人流センサで取得したCO2濃度や混雑度のデータはデジタルサイネージに表示し、イベント情報や食べ歩き禁止などの注意事項の表示も行う。

デジタルサイネージは試験的に自立型のものを導入して効果を確かめた後、吊り下げ型のものを3カ所に設置予定だという。両者は既に、取得データの活用方法や運用に向けた検討を始めている。今後はさらなるスマート商店街の実現に向けて、「京都ビッグデータ活用プラットフォーム」と連携し、来街者の利便性向上に努めていく考えだ。