オフィス用品を水平リサイクル、資源循環型社会の実現に向けて

資源循環型社会の構築が急がれる。その中で、素材のトレーサビリティ――モノマー・ポリマー等の原材料から製品の製造・販売・使用およびその後回収から解体・破砕を経て、リサイクル原料となり製品製造に再利用されるまでの、資源ライフサイクルにおけるトレーサビリティは重要である。

今月21日、三井化学プラス協和産業NRIの4社は、資源循環型社会の実現を目指し、オフィス用品であるクリアーホルダーにトレーサビリティ機能を実装した水平リサイクル(使用済製品の資源分解から、同じ製品に再生させるリサイクルシステム)実証実験を実施したことを発表した。4社はかねてより材料、素材、製品の循環型社会の実現のため連携を強化していて、今回の取り組みは、その成果の一つになるという。

クリアーホルダーを対象にした水平リサイクルの確立とトレーサビリティ機能の実装を目的とする。実験では、プラスの製品・クリアーホルダーについて、製品の使用→製品の回収→材料樹脂への粉砕→再生材を用いた同製品の製造→オフィスへの運搬・使用という一連のリサイクル工程(Loop)からなる水平リサイクルを実施する。今回その工程の1周目(Loop1)を実装した。そこで得られた課題や学びを抽出して活かし、活動の加速化、洗練化を図る。

再生材の使用状況をデジタル上で視認できるトレーサビリティ機能を実装していて、各工程でトレーサビリティの確認ができる仕組みも実現している。4社は全て資源循環型社会の実現という社会課題の解決とソーシャルイノベーションの実現に向けて取り組むコンソーシアム「Pla-chain」(22年10月13日設立発表記事)に加盟している。

今後は、同コンソーシアムとも連携し、上記学びや課題を共有し、トレーサビリティ機能を実装した水平リサイクルの浸透化を図る(Loop2)。そして、業界の垣根を超えた循環型社会実現の動きを加速させていく考えだ。