ミリ波無線LAN×センシング技術で自動運転をサステナブルに

5Gネットワークは基地局を多数必要とする。多くのエネルギーを消費する。他方、ミリ波無線LANは、干渉源となるほかの無線局が比較的少ない周波数帯を用いており、ギガビット級のスループットを安定的に達成でき、5Gネットワークよりも低消費電力すなわちエネルギー効率に優れているが――

ミリ波は直進性が高く、遮蔽環境での使用が難しいため、スポット的なサービスでの利用が主であった。近年、面的なサービスやモビリティ用途へ適用するための技術開発が求められているという。パナソニックコネクトは、自動運転時に利用する5G等の無線通信ネットワークのエネルギー効率の課題を解決する、60GHz帯無線LANとセンシング技術との組合わせによる、適時5Gネットワーク切り替え&サービス持続可能な世界初の技術を開発した。

ミリ波無線LANを5G網に導入することでネットワーク全体のエネルギー効率を3倍以上に高められる、センシング技術(79GHz帯ミリ波レーダ使用)で検知される未来の遮蔽環境に対し、自社の無線品質予測技術を用いて最適なタイミングで5G網(Wi-Fiで代用)に切り替え通信できる、新開発技術の実証実験を今月19日~23日、横浜市の支援および「I▫TOP横浜」の取り組みの一環として、臨港パーク管理用通路及び周辺スペースで行う。

自動運転車や自走ロボットの遠隔監視用映像のリアルタイム共有、高精度動的地図等の大容量データの瞬時送受信が、上記仕組みの実用化で叶う。自動運転を支える無線ネットワークシステムの大幅な電力効率化が期待できる。Beyond 5Gに向けた今回の実証実験を通じ、社会実装時の課題の抽出と、さらなる機能の改善に取り組んでいくという。

同社は、「現場から 社会を動かし 未来へつなぐ」をパーパスにかかげ、現場にイノベーションをもたらすことで多様な人々が幸せに暮らせる、持続可能な社会の実現を目指していく構えだ。