上場企業の7割、サステナビリティ経営でのIT活用に期待

サステナビリティ関連ないし非財務情報に対する関心が高まっている。昨今、非財務KPI/情報の定量化・可視化を、多くの企業が課題にしている。

プライム市場上場会社のTCFD提言に沿った開示の実質義務化など制度対応も求められ、今後は企業が管理していたデータにサステナビリティに関する項目も追加して管理する必要があると想定される。サステナビリティ関連データの管理が一般的となる中で、負荷を減らす効率化が重要になり、効率化を進めるうえで、ITを活用し、DXを手段とした取り組みを織り込んでいくことが不可避になると考えられるという。

みずほリサーチ&テクノロジーズは、全国の上場企業の経営者・役員および社員のうち、サステナビリティの取り組みに関与する人(有効回答数432名)を対象に「サステナビリティ経営における非財務情報のデータ管理、IT活用の課題に関する調査」を行いまとめた報告書を今月16日に公表した。回答企業の半数は、業務プロセスへの落とし込みフェーズにあり、着実に取り組みを深化させており、そのなかで、IT活用の重要性が認識されているという。

新たに管理が必要になるデータや情報の増加、人材不足、社会的要請という背景から、業務効率化を目的としたIT活用に対して積極的な意向が見られ、IT活用のニーズは顕在化している。IT活用のニーズはあるものの、扱うデータの多さ、データ把握の手間、保管しているデータフォーマットの違いなど、データ整備に課題があり、業務効率化と親和性の高いIT活用を念頭に置いた推進が今後求められる。

IT活用を前提とした取り組みの推進には、経営層が自ら理解を深め、トップダウンで推進することが重要。これにより、事業部門・現場社員への理解浸透、取り組みの自分事化につながる。IT活用について、全体の7割以上が取り組むべきと回答したともいう。上記調査報告書は、同社Webサイトで確認・入手できる。