山間部の建設工事現場でもDX、衛星ブロードバンド環境を各種業界へ

一般的に山間部の建設現場では、光ファイバー敷設に大規模工事が必要となる。通信環境整備が困難である。連絡手段としての携帯電話利用、図面の電子化・現場監視用の映像伝送ができない、建設現場のDXが進められないことが課題になっているという。

KDDIは6日、auエリア構築ソリューション「Satellite Mobile Link」清水建設が採用したことを発表した。今月19日から同顧客の工事現場である北海道新幹線、渡島トンネル (上二股) 工区 (JRTT発注) でその運用を開始する。清水建設は同ソリューションの日本初ユーザーとなる。今回の設置場所、渡島トンネル (上二股) 工区も携帯電話の通信エリア外であるため、通信可能なエリアまで10分かけて移動し――

携帯電話を利用しなければならない状況にある。工事現場では多様な機器を同時に接続する必要があり、高速かつ安定した通信手段を確保し、効率的かつ快適な業務環境を実現するためには、新たな通信設備の構築が要る。そこで「Satellite Mobile Link」を活用し、渡島トンネル (上二股) 工区をau通信エリアにする。

法人企業や自治体向けに、衛星ブロードバンドインターネット「Starlink」をバックホール回線として利用したau基地局ソリューションにより、携帯電話による音声通話のほか、建設現場と事務所、本支店間の進捗管理におけるタブレット端末を利用した大容量データをより円滑に安定した伝送が可能となり、情報伝達の効率性・即時性が向上する。

建設現場DXが進むことにより、作業の高効率化から働き方改革の推進にもつながり、従業員満足度向上も期待されるという。KDDIは今後、同ソリューションについてさまざまな業界での利用を検討し、高速通信が持続する環境を提供する。そして法人企業・自治体のDXを支援することで、社会課題の解決を目指していく構えだ。