IoT×AI解析で避難所等の混雑を可視化、公益施設の運営効率化へ

広域災害が発生した場合、多くの職員も被災する。限られた人員で災害対策本部と遠隔地の避難所の情報連携を迅速かつ正確に行うことが重要になる。データ連携基盤の調査・実証業務を今年6月から請負っている――

富山県と県内15市町村による「データ連携県・市町村連絡調整会議」では、同基盤を観光・防災分野で活用することを協議しているという。インテックは、先月16日の富山県総合防災訓練において、「自治体向けIoTプラットフォーム」とカメラ画像のAI解析を活用した、避難所の混雑検知の実証実験を行った。今回、バカンのステレオカメラによる混雑可視化サービスを利用し避難所入出人数の検知、トレイルカメラでは所内の様子を定点観測した。

①ステレオカメラによる検知では、避難者を乗せたバスの到着時刻にグラフの山が来ることが把握できた。一方、スタッフの往来が多く、避難者のみの検知が難しかった。正確な人数把握の仕組みを検討するべき。②トレイルカメラによる検証では、AI判定結果と目視結果とがおおむね一致した。被写体が小さいと判定困難だったが、カウントを条件設定することで改善した。今回の規模のホール全体での判定には、カメラを複数台設置する必要がある。

③各解析結果を合同調整所(本部)で遠隔モニタリングできた。合同調整所での使用を鑑み、今後の利便性向上として、公開サイトに道路や建物の損傷を書きこめる白地図ホワイトボードのようなレイヤを設けるなど、各機関が迅速に情報連携する仕組みを実装するなどを検討に入れる。避難所以外にも、給水所の状況など公益性が見込まれる情報の検討を行う必要がある。といったことを明らかにした。

同社は実証結果をまとめ、協議会内で共有・展開し、避難所運営の効率化や住民への総合防災情報発信に役立ていきたい。多様な情報サービスを同プラットフォームとつないでサービスの価値を高め、他団体へも展開していく予定だという。