5G SAでネットワークスライシングを活用する社会の実現に向けて

超高速・大容量、超低遅延、同時多数接続を実現する。真の5Gでは、モバイルネットワークを仮想的に分割して運用する技術「ネットワークスライシング」に対応し、帯域などの限られたリソースを各サービスへ最適に割り振り、サービス品質を高めることが必要になる。

日本のポスト5G情報通信システムの開発・製造基盤強化を目指している。片やその一環で、一昨年8月から「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」に取り組んできたという。

NEDO楽天モバイルは、5G SA(スタンドアロン方式)において、エンドツーエンドでネットワークスライスを自律的・自動的に運用する「ネットワークスライスオーケストレーション技術」と、AIをそれに組み合わせて5Gネットワーク運用を高度化する「AIを用いた5Gスライスオーケストレーション高度化技術」の新たな開発に成功した。これらの技術を導入したモバイルネットワークでは、ネットワークスライスの構築から運用までの自動化率577.5%を達成した。

自動的な運用管理を可能とすることで、日々のネットワーク構成の変更やサービスの追加など、膨大な作業数の削減につながり、コスト削減や品質の向上が期待できる。同技術を商用5G SAに導入し、ネットワークスライシングを活用することにより、IoTや仮想現実(VR)、ドローン動画の配信といった、5Gネットワークを用いた多彩なサービスでの高度なネットワーク品質要求に柔軟に対応できる。

さらに、新たなサービスや産業の創出を促すことで国民生活の利便性向上、産業の発展、国際競争力の強化に貢献するという。楽天モバイルは来年をめどに商用5G SAへ上記新技術を導入し、高品質ネットワークサービスの提供を本格化する。また、楽天シンフォニーがグローバル展開するプラットフォーム「Symworld™」のプロダクトに同技術を組み込み、世界中の企業に提供する考えだ。