大規模で複雑な演算処理を実行する必要があり、計算性能やメモリー使用量などに厳しい制約があるエッジデバイスに搭載するには、AIモデルの軽量化やその演算ロジックを実装するための論理回路設計など、専門的な知識を持つ技術者が必要だ。FPGAは、複雑な演算処理を並列処理し大容量のデータを高速に処理できるデバイスだが、汎用的なCPU/GPUよりもさらに複雑な実装や専門知識が求められる。
そのため開発期間の長期化や、コスト高になるといった課題があったという。OKIとOIDS、フランスMipsology SASは、OKI独自のAIモデル軽量化技術「PCAS」とミプソロジー社のFPGAによるAI処理の高速化プラットフォーム「Zebra」を連携することで、AIモデルに内在する不必要な演算を自動的に削減かつ高速化し、従来の約4倍となるAI画像処理速度60fps以上を達成する技術開発に成功した(評価対象モデル:YOLOv4)。
さらに、同技術をOIDSとミプソロジーとの国内市場向けFPGA設計開発サービスに適用することで、高度AIを搭載したアプリケーションを短期間で提供できFPGA実装の自動化を実現する。これにより、専門的なスキルを持つ技術者不足や、開発時間の短縮・効率化といった課題を解決できる。
一部はNEDOの委託業務(JPNP16007)の結果得られたものだという。上記内容は、「CEATEC JAPAN 2022」のOIDSブース(No:K034)で、AIモデルを軽量化したFPGAのデモンストレーションとして見ることができる。