医療現場DX、クラウドで医師の臨床研究や手技向上をサポート

医師の負荷増大が課題となっている。コロナ禍をきっかけに、それは一層重要視されるようになった。循環器の分野でいち早く医療DXを実現するシステムを提供し、同課題解決の一助となることを目指している。そして医療の質の向上に資する環境構築を促進することで――

患者が健康を取り戻し、幸せな人生を送ることに貢献できることを願っているという。J&J メディカルカンパニーのバイオセンスウェブスター事業部は、カテーテルアブレーションにおける症例クラウドデータマネジメントシステム「CARTONET®」の提供を11月開始予定だ。それは「データアクセシビリティ」「症例解析機能」「リサーチサポート機能」を備えた総合的なデータ管理システムだという。

不整脈診断・治療機器モジュール「バイオセンスCARTO 3」(仕様等:PMDAサイト)を導入している医療機関は、同システムを利用することによって、カテーテルアブレーション治療の膨大な症例データを一層効率よく解析できる。同治療の症例データをクラウド上で一元管理できるだけでなく、ダッシュボード形式で症例集積データの解析が可能になる。

また、アブレーション治療における実際の手技をレトロスペクティブに検証できるほか、すべてのデータは自動的に直接個人を識別できない形に加工・処理され、強固なセキュリティ環境下で使用できる。医療の現場では、臨床上で知り得た情報やデータを論文にまとめ発表することで、あらゆる医療従事者と知見を共有することが、医療の発展において不可欠な活動の一つだ。

エビデンス構築のための論文執筆などで多くのデータ分析が必要な際には、CARTONETを使用する施設間でのデータ共有も可能となる。同システムは、今年6月より複数の医療施設でパイロット導入を行っている。この活用事例をもとに、一部施設で11月よりサービスを提供し、来年1月からの全国展開を予定しているという。