まちのDX、高齢者の健康増進や子どもの安心安全につなげる

少子高齢化の進む日本では、まちのデジタル転換が急務である。昨今、コロナ禍で外出機会の減ったシニアは、健康不安が増大している。一方、子どもたちは、地域全体での見守り――交通安全・防犯対策などがあってこそ、歓声を上げながら、元気に育っていく。

そこで、日本オラクルは、京王電鉄⼩⽥急電鉄G&Sと協働し、「シニア/⼦供の街歩き促進サービス」の実証を11月1日~来年2月28日、東京都多摩エリア(多摩市および日野市)で実施する。参加対象は高齢者と子供(見守りタグ)300名で両市の居住者――

専用アプリをスマホに入れた参加者は、エリア内の地域商店街や移動販売⾞などのスポット約50カ所に訪問したり、見守りタグ保有者とすれ違ったりすることでポイントが付与される。「ポイントラリーで⾼齢者の外出機会を創出し、健康⻑寿の促進へ」では、貯まったポイントは累計数に応じて、多摩エリア内のフラワーショップでギフトフラワー等の商品に交換できる。

「駅通過⾒守りで、安⼼して"いってらっしゃい"といえる通学路整備」では、参加者がエリア内の特定スポットを通過すると、その家族や介護者に「位置情報」「時刻」「通過」がメールで通知される。今回のプロジェクト全体を企画・推進するG&Sは、位置情報見守りタグ「biblle」や高齢者施設向け安否確認システム「施設360°」を展開し、生活習慣情報のAI解析によって高齢者認知機能を推定するサービス「Cognivida」の開発などを行っている。

同実証は東京都委託「多摩イノベーションエコシステム促進事業」における「リーディングプロジェクト」に選定されているという。日本オラクルは、上記ポイントラリー向けクラウド・テクノロジー「OCI」「Blockchain Platform」等の提供を通じて、住民や地域企業と協働しながら、スマートシティの実現と社会や地域の課題解決に貢献していく考えだ。