クロスモーダルをもとに五感体験をデザイン、消費行動の変容へ

五感の相互作用によって人は物事を知覚する。そのような仕組みは「クロスモーダル」と呼ばれ、ものづくりやサービスデザインにおいて、得られる感覚や体験そのものを自由に設計するためのヒントとして近年注目されてるという。


博報堂のプロジェクトチーム「Human X」は今月4日、東京大学大学院情報理工学系研究科鳴海拓志准教授と共同で、クロスモーダル知覚を活用した映像に接触することにより、その場での行動にどのような影響を与えるかを調査する実証実験を開始した。同チームは、企業のブランド体験開発に活用する実験活動「Human X Experiment」を行っていて――

生活をより豊かにする仕組みを感性的・科学的に開発する『〇〇×五感体験デザイン』の実験シリーズに鳴海准教授の監修のもと取り組んでいる。今回その第2弾として「おいしさ×視聴覚」に挑戦し、行動変容に関する実証実験を行う。第1弾の実験('22年5月発表)で作成した「ビールのおいしさを増幅させる音楽」を映像化し、感覚間協応の特性を活用した視聴覚体験を開発した。

泡感、炭酸感、のどごし感などビールを飲んだ時の感覚を豊かに思い出させる。泡の大きさや動きなどビールの様々なテクスチャーを強調した映像は視聴覚が刺激される表現となっている。映像コンテンツ「INTO BEER」(@YouTube)の実証は今月末日まで、「FamilyMartVision」が設置されている全国のファミマ約3,000店舗で実施される(一部地域・時間除く)。

映像視聴による店舗内での感情変化や行動変容を検証し、今後の店舗体験の拡張可能性を検討する。同チームは、活動から得られたクロスモーダルナレッジを企業が持つブランドの"らしさ"と掛け合わせ、生活者の身体性や感情に着目したブランド開発や世界観構築、新たな体験創出、研究開発、新事業開発など、企業のブランド変革を支援していく考えだ。