独自AIモデルを用いたサービスで"医療エビデンス合成"支援

臨床試験などの研究成果を統合して、一層信頼性の高いエビデンスを創出する。「医療エビデンス合成」は、各種疾患に対する治療やリハビリテーションのガイドライン策定などで活用されている。特定の臨床課題ごとに関連する複数の臨床試験・臨床研究を網羅的に収集してレビューする。

系統的レビューと、それにより収集した研究群に対するメタ解析を実施する。当該レビューにおける文献スクリーニングは目視確認によるもので、人的負荷の高さが迅速な医療エビデンス創出を妨げている。世界中から連日新たな研究成果が報告される今日のような状況では、治療アルゴリズムの最適化等に向け特に迅速な医療エビデンス合成が求められ、上記作業の効率化が喫緊の課題だという。

トーマツは、独自AIモデルを搭載した医療エビデンス合成支援ツールを開発した。医学研究に関わる企業や研究者を対象に、同ツールを活用した医療エビデンス合成の実現を支援するアドバイザリーサービスの提供を行う。今回、臨床試験論文の分類用AIモデル、および論文からの情報抽出を担うAIモデル群を構築し、それらを搭載した分析ツールを独自開発した。

情報抽出モデルに関しては、英国リヴァプール大学との共同研究により、治療薬等の情報抽出において高精度(デロイト発表記事)を有する独自AIモデルを開発した。これらを活用することで、文献スクリーニング作業の大幅な効率化(他事例で80%以上)が望め、一つの臨床課題に対する医療エビデンス合成結果を提供するまでの期間を短縮し、臨床課題を細分化した複数の医療エビデンス合成を実施するなど――

クライアント企業のニーズに柔軟に対応するプロジェクト進行ができる。その結果、メディカル戦略立案の高度化や医学研究者の貴重な人的リソースの効率化などが可能になるという。同社は来年以降、上記サービスをSaaS型にして、クライアント企業側でも利用できるようにしていく考えだ。