自治体の需要がSMS送信サービス市場の拡大に寄与

ITの浸透によって人々の生活をより良い方向に変えていく。デジタルトランスフォーメーション(DX)は産業界のみならず、行政府においても声高に叫ばれるようになった。日本では、スマホの台頭とともにメッセージングアプリが普及したが、ここに来てSMSの復権が明らかに――。

「SMS送信サービスは、到達率や開封率、本人性の高さから、本人認証、督促・リマインド用途での利用が急拡大しました。近年では、電話問い合わせにおいてIVR(自動音声応答)とSMSを組み合わせてデジタルチャネルへ誘導したり、各種業務システムとAPI連携やRPAの活用によって業務プロセスを自動化する事例も出始めています。こうしたDX推進に関連した導入が、今後は拡大すると予測しています」

と、プリンシパル・アナリストの三浦竜樹氏がいう。ITRは9月29日、国内のSMS送信サービス市場規模推移および予測を発表した。同市場の2021年度の売上金額は163億2,000万円(前年度比34.9%増)であった。22年度も同29.7%増と引き続き高い伸びが見込まれる。SMSは、電子メールよりも開封率や到達率が高いため、情報伝達手段として業種業界を問わず導入されている。

メールアドレスやコミュニケーションアプリのアカウントを持っていない相手にも、携帯電話やスマホを使ってメッセージを送れるので、コロナ禍以降、来院予約のリマインド、テレワーク時の業務連絡などでの利用が拡大している。さらに現在、総合行政ネットワーク(LGWAN)環境下で自治体が利用できるSMS送信サービスの需要が増加している。ゆえに同市場のCAGR(21~26年度)は14.8%、26年度には325億円に達するだろうという。

詳細は、同社の市場調査レポート『ITR Market View:ECサイト構築/CMS/SMS送信サービス/電子請求書サービス市場2022』にて確認できる。