正規品フィギュアをスマホで判定、健全な市場形成と消費者保護等へ

グローバル化とともに越境ECが盛んになっている。物流ネットワークの複雑さなどを逆手に取った模倣品の流通は、正規品およびブランド企業の死活問題である。近年、人気フィギュアを製造・販売するその企業も、多数の野放し模倣品被害に悩まされていた。

製品に貼付されたIDデバイスを消費者のスマホで読み取ることで、真贋判定や不正流通の監視など、サプライチェーンの管理を可能とする「クラウド型ID認証プラットフォーム」を今初夏より中国市場に提供しているという。凸版印刷はその日本市場での提供を開始――メディコム・トイ博報堂プロダクツと共同開発した模倣品対策ソリューション「du-al.io®」での採用を今月12日に発表した。

同社は同顧客に、ハイセキュリティタイプのNFCタグと同プラットフォームの真贋判定機能を提供。「du-al.io」実装初期製品は、クマ型ブロックタイプフィギュア「BE@RBRICK」3品目(7月23日発売)で、ラインナップは順次拡大される予定だ。右脚部分に同無線タグが内蔵された製品は、スマホをかざせば正規品だとその場で判定できる。

「安心・安全なID認証基盤」「API提供による高い汎用性」「凸版印刷のIDデバイスとの組み合わせにより幅広いニーズに対応」などを特長とする。同プラットフォームが導入された「du-al.io」は、経営リスクと誤認購入を防ぐだけでなく、「企業とファンのエンゲージメントを強化するプラットフォーム」として、コレクション性の高い玩具やアート、高級アパレル・時計・アクセサリー、高性能スポーツ・アウトドア用品などへの活用が期待されるという。

「第24回自動認識総合展」にて上記製品・仕組みを披露する。凸版印刷は同プラットフォームについて、日本国内での拡販を進め、店頭やイベント会場でのNFCタグの読み取りによる顧客とのエンゲージメント強化などへも用途を拡大していく構えだ。