Web会議中の接続具合?を改善する技術を商用サービスにて

コロナ禍で世界的にリモートワークが普及し、Web会議サービスの需要が高まった。映像と音声の品質が鍵を握るそのようなサービスでは、アプリを含むICT(情報通信技術)リソースについて、提供側と利用側でそれぞれ異なる事情ないし要求(インテント)がある。

従来のWeb会議サービスは、サービス利用者の端末が高いスループットの高速回線に接続した場合などには、映像品質を高めるために、過剰なデータ通信量で映像を送信する。そのため、既存回線に接続した場合、回線の輻輳などにより、スループットが大きく変動すると、急に映像品質の低い小さい映像データでの送信に対応することができず、Web会議が途切れてしまうなどの問題が発生するという。

NTTNTTコムウェアは、サービス利用者のデータ通信量を制御する体感品質・データ通信量最適化技術(Mintent)をWeb会議サービスに組み込み、Web会議の映像や音声の体感品質を保ちながらデータ通信量を最大63%低減できることを共同実験で確認した。

Web会議サービス利用者の要件、「途切れにくい」を実現するため、NTTはこれまでサービス利用者の体感品質に基づき、同技術をインテントAIメディエータの一技術として確立を進めてきた。Mintentでは、各サービス利用者の数十秒程度将来の体感品質が適正品質を満たすための送信映像データ通信量を、Web会議サーバから得られるビットレート等の映像情報から計算し、適正品質を維持可能なデータ通信量を利用端末に指示する。

これにより、適正品質を満たしつつ、データ通信量を低減することができ、途切れにくいWeb会議を実現したと両社はいう。今回の共同実験で得られた結果を踏まえ、NTTコムウェアは、資料共有型のWeb会議サービス「letaria®」を、Mintentを活用した初めての商用サービスとして8月3日に提供開始した。