ロシア・ウクライナ問題により対象となる金融商品が激増し、それに伴い金融機関が金融商品を取引する際のコンプライアンスチェック業務の負荷が増加しているという。DTSは、国際基準に準拠したマネー・ローンダリング対策システム「AMLion」の取引モニタリング機能に、金融商品スクリーニング機能を追加し、今夏、国内資産運用会社向けに同機能の提供を開始した。
取引モニタリング機能は、①検知ルールによる取引モニタリング・IPモニタリング、②検知ルール作成・変更シミュレーション、③ 【NEW】保有銘柄に対するポジションスクリーニング(金融商品スクリーニング機能)で構成されている。これによりユーザーは、顧客属性や過去の取引、ルールに基づき傾向から逸脱した取引を強力に検知できる。
上記スクリーニング機能は、ロンドン証券取引所グループ傘下のリフィニティブが提供する専用データ「FIRI」と連携する。これにより、「経済制裁対象が経営者あるいは実質的支配者となっている企業の株式や債券が組み入れられた金融商品を保有していないか」について顧客の保有ポジションをスクリーニングし、照合結果を検出・通知する。この機能は、取引モニタリング機能のオプション機能として提供される。
「FIRI」は国連やEU、OFAC、HKMAなど世界各国の政府機関、大統領令で指定された経済制裁対象に関係する法人情報が組み込まれた最新の金融商品データを提供しているという。DTSは、今年下期から新たに資産運用会社ならびに信託銀行への提案を強化し、金融のあらゆる業態のコンプライアンスチェック業務の高度化・効率化に貢献していく構えだ。