電子カルテと医事会計をクラウド化、診療データ利活用により病院DX

自然災害が激甚化している。近年、医療機関の業務継続、診療データの保全に資するしくみのニーズが高まっている。また、コロナ禍により経営環境が変化、負担が増加し、システム保守など病院運営に多大な影響が出ている。

システム導入・更新費用の平準化や運用コストの削減、環境変化や新しい法制度への迅速な対応が病院のITシステムに求められているという。富士通Japanは、国内トップシェアだという電子カルテシステムと、医事会計システムをクラウド化した、大中規模病院向けクラウド型電子カルテサービス「HOPE LifeMark-HX Cloud」を1日に提供開始した。

JQA「データセンター安全対策適合証明」を取得した富士通のDCで運用される同サービスは、AI問診など外部サービスとの連携に必要なWEB-APIを利用しやすくし、さらなる患者サービスの向上や院内業務の効率化、病院経営の改善に寄与する。次世代医療情報標準規格HL7 FHIR日本HL7協会)に対応していて、医療情報連携の強化と診療データの利活用を促進する。

電子カルテや医事会計サーバのクラウド化により、構内システムよりも50%程度サーバ数を減らせる。定期保守や修理等のサーバ管理費、電気代、機械室の空調維持費などシステムのトータルコスト削減と、保守スタイルの変革を具現化する。上記新サービスでは、WEB-APIを活用した様々な医療・健康サービスを拡充していく。ハードウェアやサービスなど日々の利用実績に応じた従量課金サービスも提供する予定だという。

同社は今後、500床以上の大規模病院へも同サービスを展開するとともに、臨床検査や診療画像などの各システムをクラウド化することで健康・医療に関わる様々なサービスとの連携を実現――。患者や医療従事者、地域社会へ、データの利活用による新たな価値を提供し、よりよい社会を実現するDXを推進していく考えだ。