地球に優しいDCにてサーバー環境をリアルタイム監視

スマホ普及で世界のデータ量が爆増した。昨今、産業・社会分野でデジタル化が進展しつつあり、それらのデータを処理・格納するデータセンター(DC)の需要も増大、と同時に使用電力の脱炭素化が急がれている。

通常、DC内のサーバーは室単位の温湿度条件で冷却されていて、IT機器の環境特性を十分に生かせず、過冷却によるエネルギーの無駄が生じているケースが多く見られるという。NTTデータは、100%再エネ利用のカーボンニュートラルDCにおいて、サーバールーム内環境をリアルタイムに可視化するシステム「Green DC energy management™」を先月1日より運用している。

室内温湿度に加え、サーバー内蔵センサーからの給気温度・電流値、電力消費量、CPU稼働率、冷却エネルギー、再エネ導入量などをリアルタイムで一元管理できる。同システムは、空調機や室内温度センサー、サーバーから温湿度情報・サーバー1台ごとの電流値・給排気温度・電力消費量・CPU稼働率等の情報を取得し可視化している。

可視化のしくみは住友電設と共同開発。サーバーからの情報収集には「インテル®データセンター・マネージャー」を、空調AI制御にはNTTファシリティーズ「Smart DASH®」をそれぞれ使用している。室内環境やサーバー運用状況の見える化により、問題点の抽出が容易になり、継続的な運用改善に取り組める。今回、温度センサー情報と空調AI制御を組み合わせ、室内の高温エリアをサーバー単位で割り出し、集中的な冷却を可能とした。

そして、過冷却を抑制し冷却エネルギーを約35%削減することに成功したという。同社は自社DCへ順次これを展開、現在建設中の三鷹データセンターEAST2期棟への導入を予定している。さらにはテナントやサーバーラック単位で使用電力を管理したり、ビル全体の環境負荷を管理できる統合管理システムを構築していく考えだ。