不動産事業DX、デジタルツインで顧客体験を加速する

産業・社会にIT(情報技術)がますます浸透する。それによるデジタルトランスフォーメーション(DX)があちこちで始まっている。昨今、注目されている最新IT――いわゆるデジタル技術のひとつは、各種物体をデータ化してコンピュータ上に完全再現する「デジタルツイン」だ。

「GROUP VISION 2030」に基づき、DXを通した「顧客接点の高度化による感動体験の創出」を推進していて、デジタルコンテンツを活用したCX(顧客体験)向上に取り組んでいるという。東急不動産と、360°バリューの創出を推し進めているアクセンチュアは、不動産事業と各種デジタル技術を組み合わせることにより、デジタルツインを活用して不動産事業を変革していく、戦略的なパートナーシップ契約を締結した。

世界最高峰のCGI技術を活用し、基幹分譲マンション「BRANZ」のデジタルツインを制作し、あらゆる顧客接点で当該コンテンツを活用したCXの向上を図っていく。各種シミュレーションやウォークスルー機能などCX向上に寄与するデジタルコンテンツとそのプラットフォームを整備することで、入居以降にも継続的な顧客接点を生み出し、住まいのライフサイクルを通じた新しい共創型事業開発に挑んでいく。

まずは今年度、東急不動産は都内で販売予定のブランズ4物件においてデジタルコンテンツを活用した販売に取り組む。同コンテンツは、住戸内からの景観の見え方、素材の質感に至るまでのリアルな表現に始まり、日影や計測シミュレーションなどデジタルツインが精緻なシミュレーションツールである点を最大限に生かしながら、モデルルーム見学と遜色のない体験価値、さらに一部においてはモデルルーム以上の体験価値の提供を追求する。

販売拠点の集約化も順次進めていく。同社は標準的なモデルルームの建設、運営・撤去による環境負荷を低減することで、サステイナビリティにも貢献していくという。