介護現場DX、データ基盤による業務支援から科学的ケアの実現へ

昨年9月時点で高齢者人口は3,640万――。日本の介護現場では、生産性向上や介護従事者の負荷軽減を目的とした、見守りIoT機器の導入などIT(情報技術)の活用が進んでいる。

総務省統計局Webで高齢者人口のさらなる増加が示されているなか、さまざまなデジタル化(DX)に取り組んでおられる介護現場ではしかし、タブレットやPCなど複数の画面ないしシステムでの管理が生じ、業務効率化の妨げになる懸念があるという。大塚商会は、見守りIoT機器やナースコール、記録システムなどを束ね、データ収集・蓄積の基盤作りを支援する介護業務支援プラットフォーム「FURO-SHIKI」の提供を8月1日に開始する。

科学的介護の実現に向けて提供する「FURO-SHIKI」では、複数の見守りIoT機器やシステムを使っていても、一元的に利用者の状態を把握できる。厚労省が推進する介護現場におけるICT化に応じて、生産性向上や介護従事者の職場環境の整備を進められる。同プラットフォームに集約された情報は蓄積されていくので、将来的には科学的介護の根拠となるデータ解析や、エビデンスに基づく介護サービスの提供も望める。

介護事業者はこれを導入すると、見守りIoTごとに分散していた情報確認業務を一元化できる。統合された情報をケアに関わるスタッフで共有すれば職種間連携や根拠のある介護サービスの提供ができ、利用者本位の高品質なサービス提供に繋げられる。各スタッフによるデータに基づく介護サービスが行われる。事業所ではスタッフの働きがいやモチベーションの醸成を実現できるという。

同社は今回、パナソニック ホールディングスの介護業務支援プラットフォームを基盤に、見守りIoT機器4種、ナースコール4種、介護記録4種をFURO-SHIKI(イベント出展)上で繋げた。今後、繋がる機器等をさらに増やし、多様な情報の一元把握と蓄積を進めていく考えだ。