金融系の公開データを用いて、AIの安定運用を実証

デジタルトランスフォーメーション(DX)が産業界や社会基盤で推進されている。今日、それを実現する中核要素であるIT(情報技術)のなかでも、ソフトウェアの一種である人工知能(AI)およびその活用技術への期待が大きい。けれど、AIは繊細で、容易に品質が劣化してしまう――

人間にとっては些細な変化であっても、AIには大きなダメージとなる。人手によるデバッグは、多くの時間と労力を要し非常に困難だ。ゆえにビジネスやコンプライアンス問題として顕在化する前に、AI固有の異常を瞬時に自動検知し、品質を常に保つしくみが不可欠である。そこで、AIを改修せずとも、外部から簡単に適用できる2種類の自動化システム、AIの性能に直結するデータセントリックな画期的ソリューションを提供しているという。

Citadel AIは、NTTデータと共同して、従来のソフトウェアとは異なる特性をもつAIの継続的活用に向け、金融系の公開データ(融資対象者の各種属性と対象者に実際に割り付けられた融資可否のフラグを含む)を用いた検証を実施した。両社はともに、AIの自動品質モニタリングシステム「Citadel Radar」を活用することで、AIモデルのトラブルを検知し、安定した運用に寄与できることを確認した。詳細はNTTデータの技術ブログで公開されている。

運用しているAIに入力されたデータを可視化し異常を検知・ブロックすることで、正常なシステム運用を支援する――Citadel Radarはいま、表形式データを入力とするAIをサポート対象にしていて、画像を入力とするAIのサポートや検知機能拡張などが進められていると、NTTデータのイノベーションセンタに所属する堀内新吾氏がいう。

同氏は、開発完了したAIに対して自動でストレステストを行う「Citadel Lens」が開発されていることも上記ブログで紹介している。