人流ビッグデータから生活者の行動を見える化、キャンペーン等にも

スマートフォンが普及した。近ごろSNSやECサイト等の利用が拡大していても、リアルな店舗等で消費の9割程度が行われている。コロナ禍を背景に、実店舗の役割も変わってきている。

経産省「電子商取引実態調査」がそんな姿を明らかにしている。今日、生活者の購買プロセスが変化し、選択肢が多様になるなか、オンライン/オフライン両面の生活者の行動データを連動させたOMO(オフライン併合オンライン)型マーケティングのニーズが高まっているという。DNPは、世界規模でオフライン行動データを保有し、企業のマーケティング支援やビックデータ解析、デジタル広告サービス等を展開するNearと協業し――

"人流に関するビッグデータを用いて、生活者の行動を見える化""企業の会員データ(ファーストパーティーデータ)を充実""過去の訪問履歴から抽出した生活者に効果的な広告配信""キャンペーンの実施効果を計測"を特長とする「OMO型のNearサービス」を、独自広告取引経済圏「DNP Marketplace」に組み込んで各企業へ提供する。

プライバシーに配慮した同サービスにより、本人の同意を前提に取得した生活者の位置情報と、基盤となる地図情報をAIで解析し、高精度なターゲティング広告を実現する。大手小売企業における実証実験では、人流データの解析によって来店顧客の理解が深まり、Nearの広告配信で従来のデジタル広告と比較して約300%増の反応が得られ、1.69倍の来店促進につながった。競合店の顧客を流入させることもできたという。

DNPは今後、実店舗を保有する小売・不動産・金融サービス・観光・レストラン・自動車業界の企業や、公共施設などに同サービスを提供していく。「DNP Marketplace」を活かし、実世界(オンライン)の人流データとオンラインの行動データの連動を強化して、マーケティング支援を一層拡大していく考えだ。