繊細な荷物の位置と輸送状態を監視、保険手続をスムーズに

グローバルバリューチェーンはいま一層複雑化している。輸送管理の不備による被害額は数千億円にのぼり、輸送中の損傷要因やインシデント発生タイミングの特定は極めて困難な状況であり、起こりうる異常事態に迅速に対応し、改善を図れるしくみの需要が高まっている。

当該ソリューションにより、バリューチェーンを根底から見直し、IoTセンサーを用いて温湿度などの輸送状況に関する様々なデータをリアルタイムに監視し、輸送中の温湿度の変化や貨物の傾きなどリアルタイムの情報を関係者全体に送信し、対応することが可能になるという。

NTTデータSAP APJは12日、サプライチェーン保険管理を強化するパッケージ型ソリューション「Connected Product」を発表した。貨物の位置と輸送状態を監視する同ソリューションは、一昨年のNTTとSAPによる戦略的提携(12月発表記事)をもとにNTTデータとSAPが共同開発した。ソーラーパネルなどの壊れやすいもの、ワインやオリーブオイルなどバルク輸送の液体、チーズや医薬品・ワクチンなど温湿度管理が必要な品物の追跡に有効だという。

サプライチェーン全体を可視化し、貨物の破損や遅延にも迅速な対応が可能になる。その結果、従来の貨物保険への加入や保険金の請求などの手続きの負荷を軽減し、貨物の期限内での輸送を支援する。NTTデータのスマート保険ポリシー管理ソリューションを活用し、SAP® Business Technology Platformを搭載した同ソリューションは、海運貨物輸送とそのリスク管理方法を大きく変える可能性がある。

各利害関係者間の責任範囲を明確にし、輸送保険の管理を一層容易にする。さらにすべての出荷および保険に関する書類をデジタル化することで、サプライチェーン全体でトラッキングと保険手続きを簡素化。各社のコストを削減し、エコシステムに利益をもたらすという。