ものづくりDX、組立・加工工程で情報収集や見える化を実現する

サプライチェーンが不安定化している。昨今、生産停止リスクが高まり、納期の信頼性がより重視されはじめた。さらには国際的なコスト競争力アップが問われ、生産リードタイムを短縮して工場全体のスループットを向上させることが一層求められている。

そのため各方面でデジタル転換(DX)が進められている。IoTによる設備稼働監視などはしかし、部分最適にとどまる製造現場が多く、上記スループット向上につながらないことが課題になっているという。NECソリューションイノベータは11日、組立・加工製造業向けに、IoTを活用して工場全体の実績情報を収集・可視化する「NEC 製造業工程デジタル化ソリューション」の提供を開始した。

同ソリューションは既存伝票に印刷した二次元コードから、モノや原材料の払出時刻、各工程の着手時刻、完了時刻などの情報を自動収集してクラウドに送る「実績情報収集システム」と、クラウドで生産状況の実態を定量的に見える化する「プロセス管理ボード」「ダッシュボード」機能を提供する。ユーザーは両機能で可視化されたモノの流れや評価指標から、全体のモノの流れにおける工程間仕掛や工程内仕掛、滞留など――

ボトルネックとなる課題を発見・分析し、継続的なプロセス改善につなげられるという。同社は、このソリューションの効果的な導入を支援する「NEC 製造業現場力向上パートナーズプログラム」も提供する。同プログラムの利用により、顧客は現状の見える化に取り組んだ上で、最適な可視化手段を導入することができる。部品出庫から製品入庫までのプロセス改善によるリードタイム50%の短縮を顧客とともに目指すという。

ソリューションの詳細を来月3日ウェビナーにて紹介する。同社は、今後も同ソリューションを通じて顧客の生産性向上を支援するとともに、自社で蓄積してきたIoT技術のノウハウを活用し、より多くの社会価値を創造していく構えだ。