小売業DX、AI×ネットカメラのしくみが売場の課題を解消する

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行により、多くのビジネスが悪影響を受けた。大きな打撃を受けた。国内の小売事業者においては、コロナ禍中にあっても感染対策を万全にしつつ店舗を運営しなければならず、少人数でまわす売場に目の行き届かない時間帯が発生しているという。

アースアイズは、IP(ネットワーク)カメラであっても同社製AI BOX「Server lite」を繋げるだけで、お客さんが商品を注視したり、商品に手を伸ばしたりしていることを認識して従業員のスマホに即通知するシステム「AI help you?」を今月6日に販売開始した。同システムを設置すると、少人数で店を切り盛りしていても、他の業務を行っていても、「お声掛け」チャンスを逃すことがない――。

きっかけは、ある専門店の担当者からの相談だった。常時何人も従業員がついていられない中で、多くの接客機会を逸している、近ごろお客さんが戻りつつあるけれど、実店舗の売上はコロナ前のそれになかなか追い付かないといった話が多くある。先の見えないコロナ禍、従業員の確保や維持が難しい業態、少ない人員での店舗運営などを勘案し、自社の技術を活用することで、接客タイミングをしっかり知らせる仕組みを実現できると考え、開発した。

「AI help you?」にも応用している基礎技術を搭載したAIカメラ(万引対策等用)が設置されている店舗の売場で「声掛け」を行った結果、前月対比でスーパーのドラッグ売場では121%、雑貨店の化粧品売場では117%の売上増加がみられた。

お客さんが商品に興味をもたず通り過ぎるだけの場合は通知されない。同システムに従業員の制服を事前学習させることで、導入後も検知精度が上がり従業員誤検知を削減できるという。同社は、「AI help you?」により、家電・化粧品・高級商材などの購買率・売上アップに貢献していく構えだ。