放射線科の受付業務をデジタル転換、患者およびスタッフの苦労解消へ

大病院の放射線科は多忙である。そこでは日々、X線検査やCT、MRI検査など画像診断装置による数多くの検査が行われる。医師から指示を受けた通院患者や入院患者がそこを訪れ、皆まずは受診手続を済ませようとするのだが、放射線科総合受付が空いていることは稀だ。

受付開始時刻の前から順番待ちの列が伸びることが常態化している病院もあり、患者のストレスにつながること、スタッフへの問い合わせも多いことなどから、改善を望む声が沢山あがっていたという。島津製作所は、放射線科専用の受付システム「MERSYS-IV™(ラジエーションパッケージ)」を今月5日に国内で発売した。検査予約などで広く使用されている放射線科情報システム(RIS)と連携する無人受付システムの商品化は本邦初だという。

新製品は、受付機に通院患者が診察券を挿入あるいは入院患者のリストバンドのバーコードを読み取らせることにより、放射線科で受ける検査へのチェックインができるものだ。「RISに登録された検査オーダーと自動照合」「1台の受付機で、複数の検査室をカバー」「拡張システムにより、患者さんがより快適に」といった特長も備えている。

同製品の導入により、患者は放射線科の前に設置された受付機で簡単に受付完了でき、出力された受付票を持って順番を待つのみとなる。病院内においてはスムーズな流れが生まれ、受付待ちの混雑が解消される。受付時、医師がRISに予約した検査オーダーと、患者IDとが自動照合されるので、スタッフによる照合作業は不要になる。

受付業務も担っている診療放射線技師は、受付の順番待ちによる問い合わせや待合エリアへの案内業務などから解放される。全体で業務効率が大きくアップする。混雑する受付窓口での皆のストレスが大きく軽減される。新製品は患者に快適な受付フローを提供し、医療スタッフの業務効率向上、人的ミスの回避、人手不足対策にも有効だという。