専任の管理者がそれらを行ってきた。一度に大量のコンクリートを打設する工事が増えてきた近年、複数の生コン工場が出荷したコンクリートを数台のポンプ車を用いて打設する場合が多く、各ポンプ車に専任管理者を配置せねばならず、人的負担が増している。そのうえ、トータル打設数量をリアルタイムに把握するには、さらなる工夫が必要だという。
安藤ハザマは、AvintonジャパンのエッジAI技術を利用して、コンクリート打設の数量管理および時間管理を自動で行うシステムを開発した。同システムは、各生コン車の現場到着・打設開始・打設終了時刻を電子データ化して瞬時にクラウドへ送信する。納品書の集積場所にある文字認識用タブレットのボタンをドライバーが押すだけで、納品内容をクラウドに送信できる。
クラウドでは、工場ごとの打設数量、各生コン車の打設時間を随時把握・管理可能。打設ペース、待機車数、稼働車数など逐次変化する状況もつかめる。打設管理帳票等を自動作成する。生コン工場にとっては設備投資等が不要で容易に導入できる。管理データや画像を、関係者はどこからでも適時確認できる。新システムを大型ケーソン工事のコンクリート打設(約1,500立米/回)に適用したところ――
計7工場からの生コンを受けいれるポンプ車4台それぞれの専任管理者をゼロに、また、戻りコンの量も約6割低減できた。これを施工管理DXの一つとして、上下水道施設、ポンプ場、水門建設などへも展開していく。同社は今回の仕組みを総合的な生コン管理システムに発展させ、施工管理をより一層高度化、省力化していく考えだ。