地域密着型の病院DX、顧客体験向上クラウドサービスにて

地域密着型の小規模病院であり、がんと糖尿病領域を軸にプライマリケア全般を提供する。昨年8月末よりコロナ専門病院を運営し、COVID-19患者のトータルケアを提供する唯一の病院として、地域のコロナ診療を牽引している。

その医療機関は地域が抱える課題に対し、医療を通した社会貢献にスピード感を持って取り組んでいるという。日本オラクルは、公平病院(埼玉県戸田市在)が、患者の医療・介護・健康データであるパーソナルヘルスレコード(PHR)を統合し、患者向けのより良いサービス提供を目的に、同社のカスタマーエクスペリエンス製品群の顧客データ管理、カスタマーサービスを支援するクラウドサービスを採用したと発表した。

患者データの統合に加え、窓口や電話から受ける対応履歴を患者に紐づけて一元的に管理し、患者ごとの情報に基づくきめ細かい対応を可能にするデジタル基盤を構築する。同病院が採用したのは「CX」製品群の「Oracle Service」および「Oracle Sales」とその一機能である「CDM」。同基盤では、重複登録を回避するため、CDMの名寄せ機能を用い、各種院内システムに分散登録されている同一患者のデータを集約して処理を行う。

さらにデータクレンジング機能により、住所・電話番号等の表記揺れを自動修正し、データの品質を高めていく。「Sales」および「CDM」を活用することで、外部の仕組みを使わず手作業を最小限に抑え、迅速に各処理を実現。データの一元化により、患者からの問合せに個別ログインも必要とせず情報把握し、即座に答えられるようにする。チャットやメールも有効にする。

患者情報中心のデジタル基盤を整備するほか、Webにて患者が自ら日々の健康管理などを行える仕組みも構築していく。公平病院は医療DXを推し進めながら、医療に関わる情報を集約して管理するPHR(参考:総務省HP)を実現していく考えだ。